公開日: 2026年4月6日
更新日: 2026年4月6日
令和6年6月21日、「出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律」が公布され、技能移転による国際貢献を目的としていた技能実習制度が、人手不足分野における人材の育成・確保を目的とする育成就労制度となり、令和9年4月1日から運用開始されます。
あっせん・監理を行う監理支援機関の要件の厳格化
特定技能と連携する仕組み「分野・業務区分」
育成就労実施者(受入れ企業)は日本語習得の環境整備、育成就労責任者と指導員と生活相談員を配置する体制や外部監査人の設置等、新たな義務が加わる
育成就労終了までに技能検定3級、特定技能1号評価試験等の合格 、A2相当の日本語能力の試験の合格を目標とする
育成就労外国人の本人意向の転籍が可能となる
単独型育成就労と監理型育成就労の2つの類型(取引上密接な関係を有する海外の取引先職員である外国人を雇用する場合は監理型となり、送出機関の関与やあっせんはないが 、入国後講習は育成就労実施者が行う)
(1) 目標として
技能は、1年目試験は技能検定基礎級等の合格 、育成就労終了までに技能検定3級、特定技能1号評価試験等の合格
日本語は、1年目試験はA1相当(JLPTのN5)の日本語能力の試験の合格 、育成就労終了までにA2相当(JLPTのN4)の日本語能力の合格 (日本語能力について分野ごとに上乗せ可能)
日本語能力試験公式ウェブサイト「CERFレベル参考表示」
(最終確認: 2026年4月6日)
(2) 業務内容
分野別運用方針に規定する業務区分に属する技能を修得するため、業務区分の範囲内で業務 (関連する業務を含む)に従事
「必須業務」は業務に従事させる時間全体の3分の1以上
育成就労の期間の通算は3年
出入国管理庁「育成就労制度」
https://www.moj.go.jp/isa/applications/index_00005.html
(最終確認: 2026年4月3日)
出入国管理庁「育成就労制度運用要領」
https://www.moj.go.jp/isa/applications/nyuukokukanri07_00002.html
(最終確認: 2026年4月3日)
外国人技能実習機構
https://www.otit.go.jp/employmet_for_skill_development/
(最終確認: 2026年4月2日)
監理支援機関の許可申請、育成就労実施者の育成就労計画認定・実地検査を行い、育成就労実施者や監理支援機関等に対して、基準違反の是正等を指導を行います。
育成就労外国人が技能検定又は育成就労評価試験(特定技能1号評価試験を除く。)を適切に受験できるように、 監理支援機関(単独型育成就労の場合育成就労実施者)からの申請に基づき、試験実施機関への取次ぎや合否結果の把握等のための業務を行います。
施行日前申請 (予定)
令和8年4月15日から監理支援機関の許可申請
令和9月1日から育成就労計画の認定
監理団体が監理支援機関として育成就労制度に関わる業務を行うためには、新たに監理支援機関の許可を受ける必要があります。原則、非営利法人形態である商工会議所、商工会、事業協同組合、農業協同組合、漁業協同組合、公益法人であることが必要です。更新は原則3年です。
(1) 許可要件
監理支援機関の会員又は組合員である育成就労実施者の数が2者以上であること
外部監査人の設置
監理支援責任者の設置
債務超過がないこと
監理支援事業の実務に従事する常勤の役職員数は2人いること
監理型育成就労外国人からの母国語相談等に対応できる体制
また、常勤役員1人あたり育成就労実施者は8者未満であり、育成就労外国人は40人未満であること。例えば常勤の役員数2人であれば、育成就労実施者は15者、育成就労外国人は79人までとなります。
個人情報を適正に管理し、秘密を守るために必要な措置を講じること
など、技能実習制度の監理団体の許可要件との違いに留意します。
(2) 外部監査人
過去3年以内に養成講習を修了した者
弁護士、社会保険労務士、行政書士 の有資格者その他育成就労の知見を有する者であること
監理支援機関と密接な関係を有さない者であること
(3) 監理支援責任者
監理支援機関の事業所ごとに統括責任者を選任し、育成就労法第40条第1項第1号から第6号までに掲げる事項を統括管理をします。
①常勤の役員又は職員である者
②過去3年以内に養成講習を修了した者
③監理支援事業を行う事業所に所属する者であって監理支援責任者の業務を適正に遂行する能力を有する者
(4) 監理支援事業
監理型育成就労実施者に対し、3カ月に1回以上の頻度(入国後講習開始日の属する月を起算月として、3か月ごとに少なくとも1回 )で監査の実施を適切に行うこと。
第2回目以降、監査実施日当該日付の3か月後の応当する日である日を含む月内までに監査の実施を行います。例えば8月31日の3か月後に応答する日である11月31日がないので、月内11月30日までに実施します。
育成就労計画に基づいて育成就労が適正に行われているかを確認するために、監理支援を受ける育成就労外国人が育成就労の対象となっていた期間の合計が1年以下の場合、 1か月に1回以上、監理支援機関の役職員が育成就労実施者に赴いて訪問指導を行うこと。
監理型育成就労外国人に対して、認定育成就労計画に従って入国後講習を実施します。(取引上密接な関係を有する外国の公私の機関の外国にある事業所の職員である外国人を雇用する場合は育成就労実施者が入国後講習を実施します。)入国後講習の期間中は、業務に従事させてはいけません。
育成就労外国人に修得をさせようとする技能に関する一定の経験や知識を 有する監理支援機関の役職員が育成就労計画の作成指導すること。
育成就労外国人が育成就労を終了し、帰国する場合、帰国旅費負担及び帰国担保措置をすること。
育成就労外国人からの相談は、夜間、休日にも相談応需体制を整備すること。育成就労に関するもの以外の相談、各種行政サービスや医療機関の窓口への付き添い等の支援や食生活・医療等についての適切な助言及び援助を行う体制が必要です。
監理支援機関の業務の運営(監理支援費の徴収を含む。)に係る規程及び徴収する 監理支援費の内訳をインターネットにより公表すること。
帳簿書類を作成し、備えて置くこと。保管期間は、帳簿書類の基となる育成就労が終了した日から1年間です。
監理支援を行う育成就労実施者の管理簿
監理支援に係る育成就労外国人の管理簿
監理支援費に係る管理簿
育成就労に係る雇用関係の成立のあっせんに係る管理簿
育成就労の実施状況の監査に係る書類
入国前講習及び入国後講習の実施状況を記録した書類
訪問指導の内容を記録した書類
育成就労外国人から受けた相談の内容及び当該相談への対応を記録した書類
外部監査の結果を記録した書類
毎年1回、監理支援事業を行う事業所ごとに、事業年度(4月1日に始まり翌年3月31日まで)の事業報告書を作成し、5月31日までに機構の本部事務所の審査課に提出すること。
個人情報を適正に管理するため、個人情報適正管理規程を作成すること。
育成就労認定が取り消された場合や育成就労外国人が転籍を希望する場合は、他の育成就労実施者又は監理支援機関その他関係者との連絡調整その他の必要な措置を講じること。
育成就労外国人から転籍希望の申出があった場合、必要な連絡調整等を行い、転籍先の育成就労計画が認定された時点で転籍元の育成就労実施者に通知を行うこと。 など
育成就労実施者は育成就労外国人ごとに育成就労計画の認定申請をします。認定育成就労計画に従って育成就労を実施を行います。
(1) 基本人数枠
育成就労実施者の常勤の職員数に応じて育成就労外国人の人数の上限が定められています。
育成就労実施者の常勤の職員の総数の20分の3
(30人以下の場合人数枠を超えない常勤職員数の3倍以下)
(2) 育成就労を行わせる体制
①育成就労責任者
育成就労指導員、生活相談員その他の育成就労に関与する職員を監督することができる立場にあり、かつ、過去3年以内に養成講習を修了した者で常勤の職員であること
②育成就労指導員
技能について5年以上の経験があり、過去3年以内に養成講習を修了した者で常勤の職員であること
③生活相談員
過去3年以内に養成講習を修了した者で常勤の職員であること
④単独型育成就労の監査人
過去3年以内に養成講習を修了した者であること
「非自発的離職者」を発生させていないこと(日本人外国人問わず)
健康状況その他生活状況を把握するために必要な措置を講じること など
(3) 育成就労外国人の待遇に関するもの
一時帰国を希望した場合の有給休暇を取得できるように配慮すること
1年を超える転籍制限期間を定めた場合の昇給等の待遇向上の内容を定めること
外国人であることを理由とした差別的取扱いの禁止 など
(4) 分野別協議会に加盟
分野別協議会に加入している又は分野によってはこれに代わる措置を講じていること
(5) 単特型育成就労(育成就労法第9条)
日本企業等の外国にある事業所 (自社の海外支店 、子会社、関連会社)の職員である外国人が、特定産業分野で育成就労の在留資格をもって、日本にある事業所において当該育成就労産業分野に属する技能を要する業務に従事すること
監査人を設置し、3月に1回以上の頻度で育成就労外国人及びその監督をする立場にある者と面談し、計画に基づく育成就労が行われているかなどについて、実地確認による監査を実施
(6) 監理型育成就労(海外の取引先職員等)
取引上密接な関係を有する外国の公私の機関(日本企業等と引き続き1年以上の国際取引の実績又は過去1年間に10億円以上の国際取引の実績を有するもの 、国際的な業務上の提携を行っていることその他の取引上密接な関係を有する機関として出入国在留管理庁長官及び厚生労働大臣が認めるもの )の外国にある事業所の職員である外国人を雇用する場合、育成就労実施者が入国後講習を行うこと
送出機関の関与やあっせんはないが、監理支援機関による監査等は必要
(7) 講習
就労開始前の入国後講習を行うこと
育成就労終了までに、A2相当の日本語能力の試験に合格するため、認定日本語教育機関の「就労」課程においてA2目標講習 を100時間以上履修することができるよう必要な措置を講じること
技能実習制度の前職要件・復職要件は廃止となりました。
(1) 要件
18歳以上であること
健康状態が良好であること
素行が善良であること
単独型は育成就労実施者の外国にある事業所において1年以上業務に従事している常勤の職員であり、かつ、当該事業所から転勤し、又は出向する者であること など
(2) 育成就労外国人への禁止行為(育成就労法第46条~第48条)
暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によって、育成就労外国人の意思に反して育成就労を強制すること
パスポートや在留カードを保管すること
外出その他の私生活の自由を不当に制限すること
(3) 出入国在留管理庁長官及び厚生労働大臣に対する申告(育成就労法第49条)
育成就労実施者、監理支援機関、これらの役員や職員が、育成就労法又はこれに基づく命令の規定、労働基準法関係法令に違反する事実がある場合、育成就労外国人は、その事実を出入国在留管理庁長官と厚生労働 大臣に申告することができます。
外国人育成就労機構が実施する母国語による相談窓口を通じて申告することもできます。
(4) 転籍
育成就労外国人の本人意向による転籍を希望する場合は、育成就労実施者、監理支援機関又は機構に、育成就労実施者の変更を希望する旨の「申出書」を提出します。
同一の業務区分内であること
育成就労期間が、分野別運用方針で定める転籍制限期間を超えていること
一定の技能試験及び日本語能力の試験に合格していること など
送出機関の要件は厳格化され、また送出機関からキックバック・社会通念上相当な範囲を超える供応等を受けること、送出機関にこれらを要求等することを禁止しています。
(1)送出機関との契約内容
監理支援機関は外国の送出機関が育成就労外国人になろうとする者から、保証金や違約金の徴収を行う契約を結んでいないことを確認して、その旨を外国の送出機関との取次ぎに係る契約書に記載すること
(2)監理型育成就労
本国政府と送出国政府との間で二国間取決め(MOC)を作成している国からのみ、当該国の国籍を有する育成就労外国人を受け入れることができます。
送出国政府が要件を満たす旨認定した外国の送出機関は、外国政府認定送出機関のリストに掲載されます。
出入国在留管理庁長官及び厚生労働大臣が監理支援機関と育成就労実施者に対して行います。報告の徴収、帳簿書類の提出や提示の命令、出頭の命令、質問又は立入検査を行う権限が認められています。
(1) 育成労働実施者への改善命令
育成就労実施者が育成就労計画に従って育成就労を行わせていないことが判明した場合
育成就労法、出入国又は労働法令等に違反していることが判明した場合 など
(2) 認定育成就労計画の認定取消し対象
認定育成就労計画に従って育成就労を実施していない場合
認定基準を満たさなくなった場合
育成就労実施者が欠格事由に該当することとなった場合
育成就労実施者が主務大臣が行う立入検査を拒んだり妨害等した場合
育成就労実施者が改善命令に違反した場合 など
(3) 監理支援機関への改善命令
育成就労法、出入国又は労働法令等に違反していることが判明した場合 など
(4) 監理支援機関の許可取消し対象
許可基準を満たさなくなった場合
監理支援機関が欠格事由に該当することとなった場合
許可の条件に違反した場合
改善命令に違反した場合 など
育成就労法に違反する行為に対する罰則 (第108条~第115条)
両罰規定あり(第113条 )
「官公署に提出する書類」の作成とその代理、相談業務